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2018年10月の読書まとめ

2018年10月の読書メーター 読んだ本の数:40冊 読んだページ数:10648ページ ナイス数:2068ナイス https://bookmeter.com/users/584290/summary/monthly ■玉依姫 八咫烏シリーズ5 (文春文庫) 烏たちの住む世界「山内」の物語は、ほんの前座であったのだということに気づかされた巻。女子高生だった志帆が山神の「母親」となるため生贄とされ、やがて本当の「母親」としての役割に目覚めていく。しかし、その目覚めは果たして彼女自身の意思でなされたものだったのか、と聞かれると、一概に断定した答は出せない。わたし自身、「本当に自分の意思で自分の人生を選んでいたのだろうか」と不安になる。だが、結局のところ選んだからにはそれを全うせねばならず、やりきる以外に道はない。次巻はどのような切り口で物語が紡がれるのだろう。 読了日:10月31日 著者:阿部 智里 https://bookmeter.com/books/12757424 ■不老不死の日 「不老だが不死ではないヴァンパイアと不死だが不老ではないゾンビ。両方を兼ね備えるなら幸せになれるのでは?」シュールでコミカルだが、抱擁を交わし合い噛みつき合うヴァンパイアとゾンビを映像で見たら、さぞ圧巻だろうなと思う。不老不死、概念としては憧れるが実際にそうなったら人生に飽きてしまいそうだ。でもどうだろう、もてあますような長い時間のなかで、読書し続けるのも悪くないような気もする(脳が老化しないなら楽しめそう)。もう少し考えてみます。 読了日:10月31日 著者:木下 まさき https://bookmeter.com/books/13160480 ■十月の旅人 (ハヤカワ文庫SF) 10月中に読みたかったので、予定を繰り上げて。特に印象に残っているのは『十月のゲーム』。冬は外に出かけられないし、気分も鬱屈とする季節。10月はその始まり。そんなメランコリックな主人公の心情をそのまま映し出したかのように、物語のトーンはひたすら暗く、不気味で、居心地が悪い。だが、なぜかこの世界観からは抜け出せない魅力がある。そのほか『昼下がりの死』、『永遠の地球』が気に入っている。SFと幻想小説のあいだを行き来する作風に賛否両論あったそうだが、ノスタルジックな哀切と余韻は唯一