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2018年7月の読書まとめ

2018年7月の読書メーター 読んだ本の数:44冊 読んだページ数:11568ページ ナイス数:2259ナイス https://i.bookmeter.com/users/584290/summary/monthly ■イサナのモリ(記念日にショートショートを) ショートショートだが、長編小説の一部を読んでいるような感覚。海に生き、海に生かされる人々のシビアな戦いが1ページに凝縮されている。生ある限り続いていくその険しい道のりを前にしても、決して臆さないという覚悟と姿勢に背筋が伸びる。 読了日:07月31日 著者:行成 薫 https://i.bookmeter.com/books/13046785 ■蜘蛛男 江戸川乱歩ベストセレクション (8) (角川ホラー文庫) 殺人者蜘蛛男と明智小五郎の戦い。物語の終盤まで明智の登場は待たされるが、そこに至るまでは決して退屈ではない。蜘蛛への恐怖はわたしも共感する。Gのつく虫と出会うまでは、蜘蛛が一番嫌いな虫だった。ベストセレクションを通して読んだ感想だが、乱歩の作品は二つに分けられる。一つは心躍る冒険活劇、もう一つは倒錯した性癖の世界。それらが融合したものもあるが、いずれにせよ、物語の中心には少年の姿が存在する。無邪気な好奇心とノスタルジーに、大人になったわたしもつられて幼き日に帰るのだ。 読了日:07月30日 著者:江戸川 乱歩 https://i.bookmeter.com/books/479185 ■デイヴィッド・コパフィールド〈2〉 (新潮文庫) 叔母の援助によってふたたび生活に変化が訪れるデイヴィッド。スティアフォースやアグニス、個性豊かなキャラクターの登場に心躍るが、目を引くのはユライア・ヒープの存在。暗く冷ややかなものを湛えている彼の不気味さには、むしろ魅力的であるとも言える。花のような女の子たちに、すぐ惹かれてしまうデイヴィッドの素直さが微笑ましい。バーキスの最期は彼自身の人生の終焉であると共に、デイヴィッドの少年としての日々の終わりを感じさせられる。これから起こる波乱の予感に心ざわめかされつつ、次巻へ。 読了日:07月29日 著者:チャールズ ディケンズ https://i.bookmeter.com/books/22208 ■金田一耕助に捧ぐ九つの狂想曲 (角川文